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資産の取り崩しシミュレーション
「何年もつ?」を落ち着いて考える

この記事を書いている人:田園生活.com運営者。新NISAで積立を続けながら、「増やした先」をどう設計するかを勉強中の会社員です。取り崩しの話は数字が多く難しく感じますが、「増える分と減る分の引き算」という骨格をつかむと、急に見通しが良くなりました。専門家ではありませんが、初心者がつまずきやすいポイントを、たとえを交えて整理します。

「老後、資産は何年もつのだろう」——これは多くの人が抱く不安です。答えは取り崩し額・利回り・年数の組み合わせで変わります。このページでは、取り崩しシミュレーションの考え方を、定額と定率の違い、そして見落とされがちな「暴落が来る順番」の話まで、やさしく解説します。具体的な試算は、記事内の運用シミュレーターライフプラン表と合わせてお使いください。

この記事の内容

  1. 取り崩しシミュレーションの基本の考え方
  2. 定額で取り崩すとどうなるか
  3. 定率で取り崩すとどうなるか
  4. 見落とされがちな「暴落の順番」
  5. 資産を長持ちさせる3つの工夫
  6. よくある質問

取り崩しシミュレーションの基本の考え方

取り崩しシミュレーションといっても、やっていることはシンプルな引き算です。毎年、「運用で増えた分」から「生活費として取り崩す分」を差し引き、残高がどう推移するかを追っていきます。

栽培でたとえるなら、実った畑から毎年いくらか収穫しつつ、残した木がまた実をつける——その繰り返しです。収穫する量が実る量より少なければ畑は保ち、多ければ少しずつ木を削ることになります。これを1年ごとに繰り返して「何年もつか(資産寿命)」を見るのが取り崩しシミュレーションです。

1年間の残高の動き(イメージ)計算のイメージ
年初の残高スタート地点
+ 運用で増えた分残高 × 想定利回り
− 取り崩した分その年の生活費(不足分)
= 年末の残高これが翌年の年初残高になる

利回りは「毎年きっちり◯%」で動くわけではありません。実際の相場は上下に大きく振れます。一定利回りを前提にした試算は分かりやすい反面、現実の“ブレ”を過小評価しやすい点に注意が必要です。

定額で取り崩すとどうなるか

まず「毎年◯万円ずつ取り崩す(定額)」の場合を考えます。生活費の見通しが立てやすいのが最大の利点です。年金でまかなえない不足分が毎月一定なら、この方法は家計管理と相性が良いといえます。

一方で弱点もあります。相場が下がって残高が目減りした年も、同じ金額を取り崩すため、下落局面が続くと資産の減りが早まります。畑でいえば、実りが少ない不作の年にも同じ量を収穫し続けるようなもので、木への負担が大きくなります。

定率で取り崩すとどうなるか

次に「毎年、その時点の残高の◯%を取り崩す(定率)」の場合です。相場が下がった年は取り崩す金額も自動的に減るため、資産が枯れにくいのが特長です。理屈のうえでは、定率で取り崩すかぎり残高がゼロになりにくい、という性質があります。

ただし、受け取れる金額が毎年変動します。相場が大きく下がった年は生活費も減ってしまうため、「収入が読めない」という不便さがあります。畑でいえば、豊作の年はたっぷり、不作の年は控えめに収穫する——木にはやさしいが、暮らしは年ごとに増減する形です。

定額取り崩し定率取り崩し
受け取る金額毎年一定で安定残高に応じて変動
資産の持ち下落局面で縮みやすい枯れにくい
向いている人収入の安定を重視資産を長く残したい

実際には、この2つを組み合わせる考え方(下限・上限を設ける、普段は定率で暴落時だけ生活費を絞る、など)もよく紹介されます。どれが正解ということはなく、年金の額や暮らし方によって合う形が変わります。

見落とされがちな「暴落の順番」

取り崩し期に、平均利回りと同じくらい重要なのが「暴落が来る順番」です。これはシークエンス・オブ・リターン・リスク(収益率の順序リスク)と呼ばれ、取り崩し期特有の落とし穴として知られています。

ポイントは、同じ平均利回りでも、下落が「最初」に来るか「後」に来るかで結果が大きく変わることです。取り崩しを始めた直後に大きな下落が来ると、目減りした残高からさらに生活費を引き出すことになり、相場が回復する前に資産が大きく削られてしまいます。逆に、序盤が好調で後半に下落が来る場合は、同じ平均でも資産は長持ちしやすくなります。

ここが取り崩し期の怖さ:積立期(増やす時期)は、むしろ暴落は「安く買えるチャンス」になり得ます。しかし取り崩し期は逆で、初期の暴落が資産寿命を大きく縮めることがあります。「平均◯%で回れば大丈夫」という単純な試算だけを信じすぎないことが大切です。

資産を長持ちさせる3つの工夫

順番リスクを完全に避けることはできませんが、和らげるための一般的な工夫は知られています。あくまで考え方の紹介で、特定の方法を推奨するものではありません。

いずれも「取り崩し額を状況に応じて調整できる余白を持っておく」という発想が共通しています。ガチガチに固定せず、畑の実りを見ながら収穫量を加減する——この柔軟さが、収穫期を長く続けるコツといえそうです。

自分の数字で試算してみる

取り崩しの前提となる「資産がどこまで育つか」、そして老後を含めた一生のお金の流れは、ツールで具体的に描けます。前提を変えながら、いくつかのシナリオを試してみましょう。

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よくある質問

取り崩しシミュレーションでは何を計算するのですか?
手元の資産に、毎年の取り崩し額と想定利回りを当てはめ、資産が何年もつか(資産寿命)を試算します。取り崩す間も運用を続ける前提で、増える分と減る分を差し引きしながら残高の推移を追うのが基本です。
取り崩しながら運用を続けても資産は増えることがありますか?
取り崩し額が運用による増加分より小さければ、取り崩している間も残高が増える可能性があります。逆に取り崩し額が大きい、または相場が下落すると残高は減ります。将来の利回りは不確実なので、シミュレーションは前提を置いた試算にすぎません。
取り崩しを始めた直後の暴落はなぜ怖いのですか?
取り崩し初期に大きな下落が来ると、目減りした残高からさらに生活費を引き出すことになり、回復する前に資産が大きく削られます。同じ平均利回りでも下落の順番で結果が変わる現象は「シークエンス・オブ・リターン・リスク」と呼ばれ、取り崩し期の重要な注意点です。
定額と定率、どちらで取り崩せばいいですか?
一概には決められません。収入の安定を重視するなら定額、資産を長く残したいなら定率が向くとされますが、年金の額や暮らし方で最適な形は変わります。両者を組み合わせる考え方もあり、ご自身の家計に合わせて検討するのがおすすめです。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品の勧誘や投資助言、取り崩し方法・老後資金額の推奨を行うものではありません。記事内の数値やイメージは考え方を説明するための概算であり、将来の運用成果や資産の存続を保証するものではありません。実際の相場は変動し、シミュレーションはあくまで一定の前提に基づく試算です。税制・年金制度は改定される場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。金融商品には元本割れのリスクがあります。

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